はじめにお読みください!

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1.人口減少社会への大転換

    ◆日本の経済環境は、1960 年の前後からの高度成長期、1990年の前後からのバブル経済期、 その崩壊後の低成長期と変化しました。この動きのなかで、経済の基礎である人口は、明治維新時の約3,300万人から約4倍の1億2,800万人を越え、太平洋戦争期を除き、ずっと右肩上がりに増加し続けてきました。
    ◆そして、日本の人口は、2005年の前後をピークに人口減少局面に入り、今後30年以内に1億人を切ると推計されています。こうした短期間に3,000万人以上が減少する急激な人口変化は、世界の歴史のうえにも無かったことです。
    ◆2010年の前後から、日本の都市を取り巻く状況は、大きく変わりました。この変化は、まず地方都市の生活環境を変貌させました。この頃から「都市/まちづくり」の世界には、これまでに無かった言葉が並び始めました。コンパクトシティ、限界自治体、消滅都市、空き家・空き地、リノベーション、公共施設の廃止、稼ぐ力、フローからストックへ、建てない建築、プレイスメイキングなど。
    ◆人口減少社会における「都市/まちづくり」は、これまでのまちづくり法則が成り立たなくなっています。

日本の人口推移・国交省作成

2.人口減少社会の「都市/まちづくり」とは?

    ◆このような人口の大転換期だからこそ、都市/まちづくりは「我々はどのようなまちに住みたいのか、どのような生活を望んでいくのか、どうすれば幸せに暮らせるのか」という初心を取り戻すこと、つまり「まちの原点に立ち戻ることからのスタート」が大切です。
    ◆また一方で、このような大転換期では「まちの文化を再生すること」や「歩行者中心に再編すること」を基本に「まちの個性や魅力、そして資産価値を高めるビジョンづくり」が求められます。
    ◆このような中で、まちの原点に立ち戻り、その個性や魅力を高めるためには、 こだわって守らなければならない「エリア」があります。それは、必然的に、これらの要素が集まる「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格」です。
    ◆人口減少社会のなかで、地方公共団体が一番に取組むべき「都市/まちづくり」は、「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格に活力を吹き込むこと」で、まちの個性や魅力を高めることです。

3.なぜ、メインなストリート(Main Street)が大切か?

    ◆日本の都市/まちは、社寺と参道、鉄道駅と駅前通り、城と街道、物流拠点と交易道など 「拠点+ストリート」から発展し、都市骨格が作られてきました。我々は「拠点+ストリ ート」から構成される都市の歴史的骨格を「メインなストリート」と名づけました
    ◆市民の心の中には、メインなストリートが光り輝いていた当時の「共通の思い出」がイメージとして残っています。そのため、メインなストリートは、パブリックマインドを結集しやすく、多くの市民にとって「都市/まちづくり」の象徴となる「エリア」なのです。
    ◆メインなストリート(Main Street)は「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格」であ り、活力を吹き込むことで、まちの個性や魅力を高めるべき重要な「エリア」なのです。

メインストリートWEBのコピー