メインなストリートプログラムとは?

メインなストリートプログラムの実践地区(2023.5)

メインなストリートプログラムとは?

1.なぜ、世界の先進都市の 3,000エリアに広がったのか?

    ◆メインなストリートプログラム(Main Street Program)は、都市を取り巻く社会環境の変化に起因する「まちなか衰退」を解決するため、1977年の前後にアメリカで生まれました。そして、1985年の前後にカナダ、スウェーデン、1990年の前後にイギリスなどのヨーロッパ諸国へ、2000年の前後に日本などへ渡り、その手法は「世界の先進都市の3,000エリア」に広がっています。世界の先進都市は、同種の都市問題を抱え、解決策を見つけようと同時化進行でその対策を講じています。
    ◆数ある対策の中で、このプログラムだけが、なぜ世界の先進都市に広がったのでしょうか?
    ◆第1に、再生までのプロセスを、プログラムに組立てたことで、手順どおりにすすめるだけで、衰退したまちなかの「エリア価値を再び高めること」に必要なアウトプットを手に入れることができるためです。
    ◆第2に、地方自治体の限られた財源のなかで、その投資効果を高めるため「エリア」を「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格=メインなストリート」に絞り込んだことです。しかも、メインなストリートには、市民の心の中に光り輝いていた当時の「共通の思い出」が残っています。そのため、メインなストリートの再生は、多くの市民にとって「エリア価値が高まった再生のシンボル」になりやすいのです。
    ◆第3に、地方自治体から「まちづくり構想はあっても施策のプレーヤーがいない。住民、商人、行政が一体となって人材育成とその組織づくりに取り組むべき」との声が聞こえてきます。これは、地方都市の施策のプレーヤーが少ないことを示しています。施策のプレーヤーは、成功体験を積み重ねて育成しなければなりません。「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格=メインなストリート」は、市民のパブリックマインドを結集しやすく、施策のプレーヤーが行動しやすいため、公民連携での人材育成の適地でもあります。「まちづくりは、人づくりから」の一言に尽きます。
    ◆「再生までのプロセスを組立てたプログラム」が、世界の先進都市で受け入れられている理由は、この「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格に活力を吹き込むことができる」そして、機能する公民連携によって「人材育成とその組織づくりをセットでできる」というアウトプットを手に入れることができるためです。
    ◆このプログラムは、自治体が本来取組むべき「まちづくりの王道」に正面から向き合っています。だからこそ、世界に拡大し続けているのです。

2.メインなストリートプログラムの特徴

    ◆メインなストリートプログラム(Main Street Program)には、地方自治体が一番に取組むべき「まちの成り立ちとなった都市の歴史的骨格=メインなストリート」に活力を取り戻す (Revitalization)ための実践的“HOW TO”が成功体験も失敗体験も含め詰まっています。
    ◆このプログラムは、8つの基本原則によって進められます。

    1. 「包括的な4つのアプローチ」の同時進行
    2. 小さなエリアから連鎖を引き起こす「ボトムアップ型手法」
    3. 「人の成長」が徐々にもたらす新しい変化が大切
    4. 「機能するPPP」にこだわった組織
    5. 「歴史や地域アイデンティティ」にこだわったデザイン
    6. 「既に存在している個性ある資源」にこだわったプロモーション
    7. 「実践重視」にこだわって持続的資金を稼ぐこと
    8. プログラムは「3 ステップ方式」で実践
    ◆このプログラムは、3 ステップ(10 チャート×3 ステップ)方式の全 30 チャートで構成さ れています。
3 ステップ方式  10 チャートの概要
第 1 ステップ(1~10 チャート) ビジョン構築とその実行組織の設立
第 2 ステップ(11~20 チャート) 社会実験によって活力を吹き込む体験
第 3 ステップ(21~30 チャート) 稼ぐ仕組みづくりと持続的実践